和名 うこぎ(五加木)

うこぎの新芽と若葉

学名 Eeutherococcus seboldianus
ウコギ科
文献 [R1992001]
利用法 食用,薬用,垣根
地域 山形県置賜地方
調理法1

切り和え

うこぎの新芽を摘(つ)み、水洗いする。さっと茹(ゆ)でたら、すばやく冷たい水にひたし、次にざるに上げて、水気をしぼる。

それを、焼いた味噌(みそ)といっしょにまな板の上にのせて、包丁(ほうちょう)でトントンと細かく刻み、混ぜ合わせる。

炊きたての温かいご飯にかけて食べると、ほんのりほろ苦い味がし、また特有の香りが食欲をそそり、雪深いこの地にも春の訪れを感じることができます。

前述の味噌を焼くには、昔は囲炉裏(いろり)の火を利用しました。ごはんをよそう木・竹製のへらの両面に味噌をぬり、囲炉裏の火のそばでへらの柄(え)の方を灰にさして、両面をこんがりと焼き上げ、その香ばしいかおりもまた食欲をそそるものでした。

(食材:うこぎ・みそ など)
調理法2

浸(ひた)し物


(食材:うこぎ・きゅうり・ほうれんそう・かつお節・しょうゆ・だし など)
調理法3 和え物
その他 ・五加皮(ごかひ)酒:薬用部位は根であり、これを加えて作った強壮滋養酒。
・現在もなお米沢地方に見られるうこぎの垣根は、上杉藩九代藩主治憲(号 鷹山)公の奨励で植えられたものと語り継がれています。

うこぎの食用部位である新芽を緑の少ない春先に摘んで食べることができて、その後も次々と芽吹いて、秋まで食べ続けることができることから、救荒対策となりました。そして今なお食べ続けられています。

また、青々とした葉は、自宅の門や庭に風情(ふぜい)を添(そ)え、加えてうこぎの隠(かく)し持つ棘(とげ)が、ちょうどバラ線の役目を果たすことから、垣根(かきね)の役割をも果たし、一石二鳥(=食糧と垣根)であると喜ばれて、植えられて来ました。

うこぎ料理は、今でも郷土の香がすると、多くの人々に好まれている食べものの一つです。