シーケンサ(N末端配列解析)

476A Protein Sequencer マニュアル

☆ 目次

1: 試薬、溶媒の交換手順

2: シーケンサーの保守

3: サンプル解析

4: トラブルシューティング


1 : 試薬、溶媒の交換手順

シーケンサー試薬(A3、B2、R1、R2、R3、R4A、S2B、S4B)はなくなり次第交換する。 但しR2Bは揮発しやすいので500サイクルごとに交換する。 また劇物・毒物(B2、S2B、S4B)は劇物・毒物の棚に入れておき、使用するごとにチェック簿に記入しておく。 以下にシーケンサー停止中の交換法を示す。

1.1 : HPLC溶媒(A3、B2)の交換手順

  1. A3の2lビンにPremix Buffer40ml加える。(B2はそのままでよい) A、Hの分離が悪くなってきたら、さらに10ml加える。
    A3(3.5% テトラヒドロフラン(THF)/水      :室温
    B2(アセトニトリル/12% イソプロパノール):室温・劇物
  2. 476Aのオープンドアを開け、天井部右側にあるパージノブを一回転半程度ゆるめる。
  3. 試薬A3、B2を交換する。
  4. (コントロールパネル操作)MAIN MANUから以下のキーを順番に押す。
    HPLC>キー
    pump>キー
    purge>キー
  5. ディスプレイがPURGE PUMPのページになったら以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    NUMBER OF PURGE:0 OF 1
    PERCENT OF SYRINGE:  100
    PURGE RATE(μl/min):  7000
  6. 設定後 purge>キーを押す。(この時purge>キーがstop>キーに変わる)
  7. パージが終了したら、パージノブを締める。
  8. フリーランニングを行なう。
    manual control>キー
    HPLC>キー
    pump>キー
    freerun>キー
  9. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
             μl/Min    %B      psi      %Left
    SET}  300     90   3000      ?
    NOW}    0        ?       ?         ?
  10. run>キーを押す。
  11. 5分後 stop>キーで終了し以下のパラメータを設定する。
             μl/Min    %B      psi      %Left
    SET}  300     90   3000      ?
    NOW}    0        ?       ?         ?
  12. run>キーを押す。
  13. 5分後 stop>キーで終了する。

1.2 : PTH−スタンダード(X)の交換手順

  1. 以下の組成でPTH−スタンダードを調製する。
    part1  :12.5μl	:−20℃
    part2  :12.5μl	:−20℃
    PE−sys:12.5μl	:−20℃
    DPTU    :12.5μl	:−20℃
    PMTC    :   6μl	:−20℃
    R5   upto   5ml	:4℃
    
        調製したPTH−スタンダードを取り付ける。
  2. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に押す。
    manual control>キー
    function>キー
  3. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #40
    	Flask Function:       #56
  4. execute>キーを押す。
  5. 8の管の見えている部分の2/3まで来たら、cancel>キーを押す。
  6. 次いで以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #40
    	Flask Function:       #63
  7. execute>キーを押す。
  8. 8の管に残っている液体が圧力で押し出される。
  9. cancel>キーを押し、圧力を止める。

1.3:R3の交換手順

  1. R3(そのままでよい)を取り付ける。

    R3(トリフルオロ酢酸):室温

  2. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に押す。
    manual control>キー
    function>キー
  3. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #
    	Flask Function:       #40
  4. execute>キーを押す。
  5. 15の管の見えている部分の2/3まで来たら、cancel>キーを押す。
  6. 次いで以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #18
    	Flask Function:       #40
  7. execute>キーを押す。
  8. 15の管に残っている液体が圧力で押し出される。
  9. cancel>キーを押し、圧力を止める。

1.4:R4Aの交換手順

  1. R4A(そのままでよい)を取り付ける。

    R4A(25% トリフルオロ酢酸/0.01% DTT):4℃

  2. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に押す。
    manual control>キー
    function>キー
  3. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #40
    	Flask Function:       #53
  4. execute>キーを押す。
  5. 8の管の見えている部分の2/3まで来たら、cancel>キーを押す。
  6. 次いで以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #40
    	Flask Function:       #63
  7. execute>キーを押す。
  8. 8の管に残っている液体が圧力で押し出される。
  9. cancel>キーを押し、圧力を止める。

1.5:R1の交換手順

  1. R1(そのままでよい)を取り付ける。

    R1(5% フェニルイソシアネート(PITC)/n-ヘプタン):−20℃

  2. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に押す。
    manual control>キー
    function>キー
  3. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #
    	Flask Function:       #40
  4. execute>キーを押す。
  5. 15の管の見えている部分の2/3まで来たら、cancel>キーを押す。
  6. 次いで以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	Cartrige Function: #18
    	Flask Function:       #40
  7. execute>キーを押す。
  8. 15の管に残っている液体が圧力で押し出される。
  9. cancel>キーを押し、圧力を止める。

1.6:R2B、S2B、S4Bの交換手順

  1. R2、S2B、S4B(そのままでよい)を取り付ける。
    R2(30% N−メチルピペリジン/55% メタノール/水):4℃
    S2B(酢酸エチル)                     :室温・劇物
    S4B(20% アセトニトリル/水)      :室温・劇物

    ※ 注:R2は揮発しやすいので500サイクルごとに交換する。

  2. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に押す。
    manual control>キー
    function>キー
  3. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
    	−R2を交換するとき
    	Cartrige Function: #48
    	Flask Function:       #40
    
    	−S2B、S4Bを交換するとき
    	Cartrige Function: #49
    	Flask Function:       #40
  4. execute>キーを押す。
  5. 30秒後cancel>キーを押す。

1.7:シーケンサー作動時の試薬の交換手順

  1. 交換したい試薬が送液中でないことを確認する。
  2. more>キーを押し、RUN MONITORの2ページ目にする。
  3. CartrigeとFlaskが“WAIT”或いは“DRY CART(DRY FLASK)”のときを選んで以下のキーを順番に押す。
    	pause>キー
    	immediate>キー
    	MAIN MENU>キー
  4. 無くなった試薬を交換し、前記1.1〜1.6のうちから当てはまる試薬交換手順の操作を行う。
  5. 以下のキーを順番に押す。
    run monitor>キー
    more>キー
    *pause>キー
    resume>キー
  6. シーケンサーが再び動作しているか確認する。

    ※ 注シーケンサー作動時の交換を行うとクロマトグラムがおかしく出現するときがある。なるべく作動していない時に交換を行う。


2 試薬・溶媒以外の交換手順

2.1:アルゴンガスボンベの交換手順

  1. ボンベ上部のメインサプライバルブを閉める。
  2. レギュレーターをボンベからはずす。
  3. アルゴンガスボンベを取り替える。
  4. レギュレーターを新しいガスボンベに取り付ける。
  5. メインバルブを開ける。
  6. ボンベの圧力を約5.0kg/cm2に設定する

2.2:重水素ランプの交換手順

ディテクターに装着された重水素ランプには寿命がある。通常ランプの寿命は約4ヶ月から10ヶ月くらい、保証期間は約2,000時間(電源つけっぱなしで約3ヶ月間)である。またランプの寿命は電源のON、OFF時に大きく消耗するので2週間以上使用しないときを除いて電源はONのままにしておく。

以下の状態になったときはランプの寿命である。ランプ切れの確認を行ないランプが切れていたときはランプの交換を行なう。

2.2.1:ランプ切れの確認手順

  1. 本体の右側面のパネルを外し、右側面の右下部にあるディテクターのパネルを上に開ける。
  2. 波長変更つまみを回し、波長を約500nmにセットする。
  3. フローセルの中をのぞく。このときランプが切れていたら真暗で何も見えない。ランプが生きていたら青緑色の光が見える。
    ※ 注:波長が269nmのとき決してのぞかないこと!
          (紫外線が出ているので目を傷めることがある)
  4. 光が見えなかったときはランプの交換を行なう。
  5. 波長変更つまみを回し、波長を269nmにセットし直す。

2.2.2:ランプの交換手順

  1. 電源をOFFにし、数分間待ってランプの熱を冷ます。
  2. (本体裏のパネルを外し)ディテクター後ろのACパワーラインを外す。
  3. ランプハウジングケーブル(黒黒赤)を白いソケットからぬく。
  4. ランプを固定してるスプリングを緩める。(スプリングリテイニングクリップを奥に押しながら右に引くとスプリングが固定位置から外れる。)
  5. ランプ本体を手前に引くようにランプハウジングから外す。
  6. 新しいランプを上下の向きに注意して取り付ける。
  7. 3の操作とは逆にスプリングリテイニングクリップを引っ張りながら固定位置に取り付ける。
  8. ランプハウジングケーブルをソケットに差込み、ACパワーラインをディテクターに差し込む。
  9. 電源をONにする。
  10. 2.2.1のランプ切れ確認手順に従ってランプが点灯しているかを確認する。

2.3:カラムの交換手順





2.4:廃液

シーケンサーには3個の廃液ビンが取り付けられている。

シーケンサー右側:HPLC廃液
オープンドア内部:HPLC廃液
シーケンサー左側:シーケンサー廃液

それぞれ廃液ビンにたまってきたらシーケンサー廃液用のポリタンクに廃液を捨てる。

2.4.1:HPLC廃液

シーケンサー本体右側(3Lビン)とオープンドアを開けたインジェクター下部(40ml)に廃液ビンが取り付けてある。これらは廃液ビンが満タンになったらシーケンサー廃液用のポリタンクに廃液を捨てる。

成分
アセトニトリル33%
63%
テトラヒドロフラン3%
酢酸ナトリウム1%未満
サンプルの一部1%未満

2.4.2:シーケンサー廃液

シーケンサー左側に本体に埋め込まれた透明なビンがシーケンサー廃液の廃液ビンである。

  • 廃液がボトルの上から約5cmの位置まできたら必ず捨てる。
  • ボトル上部の黒いレバーを上に引き上げる。
  • ボトルを取り外し、シーケンサー廃液用のポリタンクに廃液を捨てる。(この廃液は強烈な異臭がするので注意)
  • ビンに約2cmほど水(水道水でよい)を入れる。
  • ボトルの口にリングがはまり込むようにしっかりと固定する

    成分
    酢酸エチル81%
    ヘプタン1%
    12%
    アセトニトリル3%
    PITC1%
    トリメチルアミン 1%
    トリフルオロ酢酸1%


    2.5:コンバージョンフラスコの洗浄

    シーケンサーを長い間使用していると、コンバージョンフラスコの底部とピックアップチューブの先端部に白い沈殿物が見られるようになる。これはガラスフィルター由来の珪素が溜まるもので、ピックアップチューブを詰まらせる、等のインジェクショントラブルの一因となる。
    フラスコが白く濁ってきたら、以下の操作で洗浄を行う。

    ○準備するもの
    	40mlの空ボトル                           : 2本
    	2N水酸化カリウム(1.12g/10ml:KOH / 水) : 10ml
    	蒸留水                                   : 20ml程度
    
    1. #R4Aのボトルを緩める。(外さない)
    2. #(コントロールパネル操作)以下のキーを順番に押す。
      manual control>キー
      valves>キー
    3. #テンキーで10を入力し、valve on>キーを入力する。
    4. #30秒後、all off>キーを押す。
    5. #テンキーで13を入力し、valve on>キーを入力する。
    6. #30秒後、all off>キーを押す。
    7. R4Aのボトルを外し、蓋を閉めて保存する。
    8. 40mlの空ボトルに蒸留水を入れR4Aのボトルポジションに付ける。
    9. *R4Aのボトルを外し、蓋を閉めて保存する。
    10. 40mlの空ボトルに蒸留水を入れR4Aのボトルポジションに付ける。
    11. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に押す。
      MAIN MANU>キー
      manual control>キー
      function>キー
    12. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #53
    13. execute>キーを押し、30秒後8の管に蒸留水が流れたらcancel>キーを押す。
    14. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #63
    15. execute>キーを押し、8の管の蒸留水が無くなったらcancel>キーを押す。
    16. *以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #52
    17. *execute>キーを押し、30秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中に蒸留水を入れる)
    18. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #61
    19. execute>キーを押し、5秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中を攪拌する)
    20. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #62
    21. execute>キーを押し、30秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中の蒸留水を捨てる)
    22. 14.* 〜 19.*までの操作をもう1回繰り返す。
    23. 1.# 〜 6.#までの操作を行う。
    24. 別の40ml空ボトルに10ml 2N水酸化カリウムを入れ、R4Aのボトルポジションに取りつける。
    25. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #52
    26. execute>キーを押し、30秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中に2N水酸化カリウムを入れる)
    27. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #66
    28. execute>キーを押し、20秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中を攪拌する)
    29. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #62
    30. execute>キーを押し、5秒後cancel>キーを押す。(フラスコ底部に届いているチューブへ2N水酸化カリウムを入れる)
    31. 30分〜1時間(汚れがひどい場合には3、4時間)放置する。
    32. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #61
    33. execute>キーを押し、30秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中を攪拌する)
    34. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #62
    35. execute>キーを押し、20秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中の水酸化カリウムを捨てる)
    36. 1.# 〜 6.#までの操作を行う。
    37. 蒸留水を入れたのボトルをR4Aのボトルポジションに付ける。
    38. 9.* 〜 19.*までの操作を3〜5回繰り返す。(フラスコ内を蒸留水で洗浄)
    39. 1.# 〜 6.#までの操作を行う。
    40. 保存しておいたR4Aを取りつける。
    41. 9.* 〜 19.*までの操作を少なくとも2回繰り返す。
    42. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #58
    43. execute>キーを押し、15秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中にS4Bを入れる)
    44. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #61
    45. execute>キーを押し、5秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中を攪拌する)
    46. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #40
      	Flask Function:       #62
    47. execute>キーを押し、20秒後cancel>キーを押す。(フラスコ中のS4Bを捨てる。)

    3 サンプル解析

    3.1:リアクションカートリッジ組み立て

    1. カートリッジキャップを半時計周りに回してはずす。
    2. Springワッシャー、Keyedワッシャーをはずす。
    3. Upper Glass カートリッジブロック内のサンプル(切り取ったPVDF膜)とろ紙をピンセットで取り除き、ろ紙を交換する。
    4. 新たなサンプルをUpper Glass カートリッジブロック内に入れる。
    5. サンプルを落とさないようにをろ紙の上にのせUpper Glass カートリッジブロック、Springワッシャー、Keyedワッシャーをのせる。
    6. カートリッジキャップを時計周りに回してカートリッジをもとに戻す。この時、 静かに回さないとワッシャーがずれ最後まで締まらないので注意

    3.2:カートリッジリークテスト(漏れチェック)

    解析中不純物がカートリッジ内に混入しないようにするため、カートリッジを組み立てる度にリークテストを行なう。

    1. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に入力する。
      	manual control>キー
      	valves>キー
    2. テンキーで20を入力し、valve on>キーを入力する。
    3. 476A前面のパネルを開き、Bレギュレータのつまみを回し、圧力を4.5psiにセットし30秒間放置。
    4. Bレギュレータのつまみを半時計周りに圧力指示針が止まるまで回す。このとき約4.0psiで圧力指示針が止まるが、止まらずに0まで下がる場合はカートリッジの組み立てが上手く出来てない(ワッシャー、ろ紙等を忘れている)、もしくはバルブからの漏れが考えられる。対処法については後述。
    5. 5分後に再度指示圧を読み、4で図った圧力からの減りが0.1psi以下であることを確認する。

      −4で計った圧力からの減りが0.1psi以上の場合は all off>を押してカートリッジを組み立てからやり直す。<-P>

    6. 以下のキーを順番に入力する。
      all off>キー
      MAIN MENU>キー
      manual control>キー
      function>キー
    7. 以下のパラメータを設定する。(赤い文字が入力する数値)
      	Cartrige Function: #17
      	Flask Function:       #40
    8. execute>キーを押し、Bレギュレータの圧力を2.5psiにセットする
    9. cancel>キーを押す。

    3.3:シーケンス開始

    リークテストが終わったら、シーケンスを開始する。

    1. (パソコン・Macでの操作)
      @まず610A解析プログラムを起動させる。
      A「Acquisition」をクリック。
      B「start collecting from 476A...」を選択する。
      Cウインドウが出てきたらファイル名を記入し「save」をクリック。
      D次のウインドウが出てきたらOKをクリック。
      E解析画面がでたら、以下の操作を行なう。
    2. (コントロールパネル操作)以下のキーを順番に入力する。
      MAIN MENU>キー
      editors>キー
      edit run>キー
    3. 以下の設定を入力する。(赤い文字が入力する数値)
      −スタンダードのみ見たいとき(リークテスト不要)
              −EDIT RUN FILE #−      edit main>
      HEATERS}   Cartrige:53℃   Flask:64℃
      BLOCK#1     Cycle:“FSTBLT”Gradient:1
                           #Reps:x1[1 cycles:1−1]
      
      −新しいサンプルで解析を行なう時
              −EDIT RUN FILE #−      edit main>
      HEATERS}   Cartrige:53℃   Flask:64℃
      BLOCK#     Cycle:“FSTBLT”Gradient:1
                           #Reps:x○○[1 cycles:1−○○]
      
      −カートリッジ内のサンプルで引き続き解析を行なうとき
              −EDIT RUN FILE #−      edit main>
      HEATERS}   Cartrige:53℃   Flask:64℃
      BLOCK#     Cycle:“FSTBLT”Gradient:1
                           #Reps:x○○[1 cycles:1−○○]
      
      ※○○の部分にはサイクル数を入力する。
    4. 以下のキーを順番に入力する。
      MAIN MENU>キー
      start run>キー
    5. ・RUN FILE #  に4、又は5、又は6
      ・Bレギュレーターの圧力指示針が2.5spi
      ・ 試薬、廃液ビンの量
      ・ パージバルブが締まっているか
      を確認する。
    6. START>キー、YES>キーを押す。

    3.4:シーケンス中断

    シーケンシングの途中で中断したいとき、サイクルの終わりで中断できる。

    1. 以下のキーを順番に押す。
      more>キー
      pause>キー
      preset>キー
      
      ※ 注:pauseキーを押した時の他のキーの説明。
      immediate>:即座にサイクルランニングを止める。但し
                            HPLCは動く。
      resume>      :ポーズ後、続きを始める。
    2. CYCLE#_に分析をとめるサイクル数を入力する。(このサイクル数は残りサイクル数ではないので注意!)
    3. entor>キーを押す。

      ランモニター1ページ目stop run>キーを押すと強制終了させることが出来ます。このキーを押した後yes>キーを押すと強制終了し、no>キーを押すとHPLCは動き続ける。


    4 トラブルシューティング

    4.1:クロマトグラムが直線になったとき

    1. パージバルブが締まっていない。

      パージバルブが締まっていないと、クロマトグラムが直線になって現れる。特にHPLC溶液を交換した際にはパージバルブがよく締まっているかどうか確認する。(パージバルブはどちらの方向に回してもそのうち回らなくなるので、バルブが閉じるようにまわす。)

    2. Bレギュレーターの圧力指示針が0になっている。

      通常解析するときのBレギュレーターの圧力指示圧は2.5psiである。リークテスト時には圧力を変更しているので、リークテスト終了後、Bレギュレータの指示圧を3.2の動作手順どうり圧力をもとに戻したかどうか確認する。
      それを行ってもBレギュレータの指示圧がもと0のままのときは、シーケンサーのバルブ(特に8と20)のフェラルが緩くなっている可能性がある。バルブをよく閉め、それでも0のままなら、電話してみる。

    3. 重水素ランプが切れている。

      重水素ランプの寿命は通常4ヶ月から10ヶ月(保証期間は2000時間)である。2.2の動作手順に従い、ランプが切れたかどうか確認し、切れていたらランプの交換を行う。


    4.2:ピークの分離が悪いとき

    1. A、Hの分離が悪いとき。

      長い間使用しているとAとHのピークが重なってくることがある。このとき、HPLC溶液A3の2lビンにPremix Bufferを加える。加える量は2lビンで普段の40mlから、50ml入れるようにする。途中まで使用した時は減った分を考慮して入れる。

    2. サンプルの質が低下している。

      サンプルは長い間放置しておくと変質し、シーケンサーで測定できないことがある。サンプル(PVDF膜)は常に冷凍庫の中で保存する。サンプルの質が低下したら、新たなサンプルを作成(新たにブロッティングを行う)する。

    3. 試薬R2Bを500サイクル以上使用した。

      476Aシーケンサーでは試薬R2Bから出る気体を利用しエドマン分解を行っている。よってR2Bは他とは異なり使用する度にR2Bの気体が徐々に無くなる(このときピークのシグナルが弱くなる)。このときR2の液体(水/メタノール)は無くならないで残る。R2Bは、使用したサイクル数を記録し500サイクル以上使用したら交換するようにする。

    4. その他(R2B以外)の試薬を長い間交換していない。

      R2B以外でも長い間シーケンサーに取り付けたまま放置しておくと試薬が劣化してしまうことがある。長い間使用しないでピークの分離・シグナルが弱くなったときは他の試薬も交換する(特に冷蔵・冷凍保存するもの、溶液A3、Standard等)。

    5. フリーランを長い間行っていない。

      カラム内に老廃物が溜まるとピークの分離が悪くなることがある。そこでフリーランを何度か行いカラム内の老廃物を流し出す。フリーランの行い方は1.1の7)以降の項目を参照すること。

    6. カラムの交換時期がきている。

      前記1)〜5)までのどれにもあたらない場合、カラムの交換時期が来ている可能性がある。2.3のカラムの交換手順に従い、カラムの交換を行う。


    4.3:リークテスト中、Bレギュレーターの圧力指示針が0になる

    1. リアクションカートリッジの組み立てが悪い。

      リアクションカートリッジの組み立てでゆるく取り付けたりすると、そこから気体が漏れるので指示圧が下がる。きちんとリアクションカートリッジが締まっているかどうか確認を行う。
      また、ワッシャーや、カートリッジシールが無い場合も気体が漏れるので指示圧が下がる。全ての部品をきちんと取り付けたかどうか確認する。

    2. アルゴンガスの残量が無い。

      アルゴンガスの残量が無くなると指示圧が下がる。ボンベに取り付けてあるレギュレータの右側のメーターを見てアルゴンガスの残量を確認する。

    3. バルブの取り付けがゆるくなっている。

      リアクションカートリッジに試薬を供給しているバルブ8とバルブ20の取り付けが緩くなったり壊れたりすると、そこから気体が漏れ出し指示圧が下がる。バルブ8とバルブ20のネジを半回転ほど締め、それでも指示圧が下がる時はバルブを取り外してもう一度取付けを行う。


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