凍み豆腐(しみどうふ)

和名 凍み豆腐
学名
文献 [R1992001]
利用法 食用
地域 山形県置賜地方
調理法1 ひやしる
その他 ・長井市伊佐沢の大石地区において、明治の初めから作られ現在に至っていますが、生産農家は今は1軒を残すだけとなりました。大石の凍み豆腐は、南陽市須刈田から伝えられたと言われています。
当置賜地方は、多雪多湿の気候のため、凍らせた豆腐を縄で吊るして軒先などに干して作る普通の作り方とは、全く異なる工程を経て作られます。
・「凍み豆腐」の作り方
年の暮れから一月下旬にかけての一ヶ月間に作られます。
一晩戸外に出して凍らせた豆腐は、かます(=古く「蒲(かま)の葉で編み作ったことから「蒲簀(かます)の意という。わらむしろを二つに折り、左右両端を縄で綴った袋。穀物、菜、粉などを入れるのに用いる」に入れられ、四日間蔵の中に寝かします。それを大鍋の湯に入れて溶かしスポンジ状になった凍豆腐を絞り、竹の串に刺します。それをカマドから運んできたオキ(=熾赤くおこった炭火。おきび。薪などが燃えて炭火のようになったもの。)の入ったムロ(=物を入れて、外気を防いだり暖めたりして、育成または保存するために特別の構造を施した所)で火力乾燥をします。乾燥が終わると串を抜きわらに通して十個を一連として出来上がります。
完成までに5〜7日間かかります。適温は零下5℃で、工程中で最も熟練を要するのはにがりの量と豆乳をかき回す手加減だそうです。
まさに手作業のみで作られた貴重な天然凍豆腐です。