おうとう(=さくらんぼ)

佐藤錦(さとうにしき)
いちごう
和名 桜桃(=さくらんぼ)
学名
バラ科
サクラ属
文献 [R1992001]
利用法 食用
地域 山形県置賜地方
調理法1 さくらんぼの梅漬
さくらんぼは水洗いしてざるに上げ、水気を切り塩をまぶし軽いおしをし、冷蔵庫に入れて、赤しそが出回るまで漬けておきます。青梅をすりおろし、すり鉢で青梅のおろしたものと塩をふりながら、水洗いし水分をふき取った赤しその葉を揉みます。保存しておいたさくらんぼの塩抜きをし(2晩位水を取り替える)、ざるに上げて1日天日に干し、日中の暑いうちに梅汁に入れ、しその葉を上に重ね軽く重石をします。土用干しを1〜2日位干し、日中の暑いうちに容器に、さくらんぼ、しその順に入れ仕上げに、カビ止めにホワイトリカーと砂糖を振りかけます。
調理法2 さくらんぼのシロップ漬
さくらんぼ(皮のかたいナポレオンが適します)は、軸を付けたまま塩水で洗い水気をよく切り瓶(耐熱性ガラス瓶がよいです)に潰れない程度に口元まで入れます。鍋に砂糖、水を入れ煮立ったら水で溶かした食紅を混ぜて、シロップを作り冷ましておきます。さくらんぼに、シロップを口までたっぷり入れて、軽くびんの蓋をします。鍋に瓶を入れて、瓶の7分目が隠れる位水を入れ、15分間煮ます。濡れ布巾で瓶を取り蓋をしっかり閉めて、またすぐに5分煮ます。1ヶ月たてば美味しいですが、3ヶ月以上保存するとさらに美味しくなります。
その他 「小さな恋人」のキャッチフレーズでおなじみの「さくらんぼ」は、山形県を代表する果物の一つで、生産量全国の79%を占め、内、当置賜地方は、20%を占めます。明治35年米沢市(主に舘山地区)では、主力を注がれていたりんごに綿虫病(=りんごの葉から汁を吸う害虫の被害)が発生し栽培を断念、りんごに見切りをつけた栽培農家は桜桃の栽培に取り組み県下第一の生産地となりました。県外への出荷も盛んになり桜桃栽培は大正中期から昭和初期にかけて最盛期を迎えます。その後は苦難の道を辿ることとなり、戦時体制下における食糧増産のため、また燃料として多く伐採され昭和26年以降は、主としてナポレオン(10号)のみが残されました。このことが、その後の舘山地区桜桃不作の原因と言われています。現在は、南陽市・高畠町を中心に「佐藤錦」「ナポレオン」「南陽」「ダイアナブライト」「王頂錦」などの生産運動が繰り広げられています。