スベリヒユ(ひょう)

和名 スベリヒユ(ひょう)
学名 Portulaca oleracea L.
スベリヒユ科
文献 [R1992001]
利用法 食用,薬用
地域 山形県置賜地方
調理法1 生の若茎葉を使用:茹でて割り醤油をかけたり、酢味噌合えにして食します。
調理法2 干し物(ひょう干し)を使用:炒め煮
ひょう干しに、油揚げ、こんにゃく、ちくわ、打ち豆、人参などを加えて油で炒めてから、調味料を加えて煮ます。
調理法3 干し物(ひょう干し)を使用:浸し物、からし浸し、くるみ浸し、ごま浸し。正月には、浸し豆といっしょに割醤油で食べる家もあります。
調理法4 干し物(ひょう干し)を使用:和え物、くるみ和え、ごま和え
調理法5 干し物(ひょう干し)を使用:七草粥
冬期豪雪地帯の当地方では、正月7日の七草粥の青葉の具材の一つとして使われます。大根、人参、牛蒡、蕪、芹、なずな干し、ひょう干しなどの有り合わせの七種の野菜を用いる家庭が多いです。
その他 ・ひょう干しの作り方
6月下旬〜7月中旬頃まで採取し、水洗いして沸騰したたっぷりの湯でさっと茹でます。すだれやトタンの上に薄く広げて干し、1日で乾くようにします。翌日再び完全に乾燥させ紙袋などに入れ、湿らないように保存します。昔から「丑の日の朝露を踏むと体に良い」と言われ、夏の土用の丑の日の午前中に摘んだ薬草などは最も薬効が高いと語り継がれています。
・ひょう干しのもどし方
ひょう干しをもどすには、2〜4時間位水に浸してから水を切り、たっぷりの湯で茹で水で十分さらしてから用います。(茹でるときに、ぜんまいのように水から入れてもみながら、水を2〜3回取り替えてもどす方法もあります。
・中国ではスベリヒユの別名を「長命菜,長寿菜」と呼ばれ、日本の古文書からも薬効をうかがえます。利尿、解毒、腫れを消す、解熱、血便、血尿、盲腸炎、できものなどに効くと言われています。また外用薬としては、あせもや湿疹の子供の湯浴に効くと言われています、
・生のスベリヒユに含まれる成分は、たんぱく質、糖質、繊維、灰分、ビタミンA,C,などが高く、また乾燥物の成分では、たんぱく質、脂質、糖質、繊維、灰分、ビタミンB1,B2などに著しい増加がみられます。
・雑草であるスベリヒユが冬期保存食にとどまらず、縁起物として正月料理の一品として食べられるのは、暑い季節に畠一面に繁茂する生命力を取り入れたいという願いを「ひょっ(ひょう)として・・」の語呂で年頭の祈りと結びつけて食されていることがうかがわれます。