低分解能質量スペクトルにおける部分構造識別関数構築のための変数選択手法の検討 ○吉田 浩士 よしだ ひろし 豊橋技科大 船津 公人 ふなつ きみと 豊橋技科大 Kurz Varmuza クルツ・ファルムーツァ Technical University of Vienna 低分解質量スペクトルデータは離散的でコンピュータで扱いやすく、少量の試 料でも測定できるという長所を持つため、今日構造解析に対し重要な方法の一 つとなっている。しかし部分構造-部分スペクトル間の相関が一般的に成り立 たず、測定条件により測定結果が変わるなどの欠点がある。本研究では上述の 長所を積極的に利用し、有機化合物の構造推定に役立つ知識の獲得を目指すも のである。特に本研究では、スペクトルデータから部分構造の「ある」「なし」 といった2クラス分類のための識別関数を構築する。識別関数を構築するため に、まずスペクトルデータの特徴を400個の記述子で表した。しかし400個とい う記述子は実用上好ましくなく、変数選択を行う必要がある。変数選択には 1)Fisher比、2)遺伝的アルゴリズムが考えられる。今回は統計手法としてLDA およびPLSを用いることとし、変数選択を行い識別関数を構築した。この結果 30個程度の変数を用いて識別関数を構築することができた。