ウレタン化反応のアミン触媒機構の解析 ○山下 修 やました おさむ 花王 小澤 忠広 おざわ ただひろ 花王 ウレタン樹脂製造触媒反応の量子化学による解析の報告です。イソシアネート とOH基とのウレタン化反応を無触媒とアミン触媒の両機構を非経験的分子軌道 法(Gaussian)で解析した。無触媒系では構造的にタイトな4中心の遷移状態 を経由する。一方、アミン触媒が存在すると複数の遷移状態をもつ逐次反応で 進行することにより活性化エネルギーが低下している事が分かった。これらの 遷移状態の形態は、アミンにより活性化されたイソシアネートがOH基からプロ トン移動、生成したアルコキサイドのカルボニル炭素の攻撃、触媒アミンの脱 離、と特徴付けられた。この機構からアミンの塩基性度の最適値の存在が理論 的予測され、その後の実験データの整理により確認できた。