トライボロジーに関する計算化学的研究 ○周 慧 しゅう けい 東北大院工 田村 宏之 たむら ひろゆき 東北大院工 高見 誠一 たかみ せいいち 東北大院工 久保 百司 くぼ ももじ 東北大院工 宮本 明 みやもと あきら 東北大院工 機械や装置の小型化が急速に進むにつれ、原子、分子レベルの摩擦特性の解明 が求められている。しかし、トライボロジー材料の摩擦特性は、分子構造、分 子量、温度、滑り速度、負荷などに大きく依存し、一般的な法則性は導かれて いない。そこで、本研究ではトライボロジー材料の中でも、最も重要な潤滑剤 分子の設計を目指して、分子動力学法を活用し様々な分子量、分子構造を有す る潤滑剤分子のせん断場におけるダイナミックスを検討した。また、油性向上 剤及びさび止め添加剤などの金属表面への吸着特性を向上させるためには、金 属新生面と潤滑剤の相互作用についても検討が必要である。ここでは、密度汎 関数理論(DFT)に基づく第一原理量子化学計算を活用し、金属新生面上での 数多くの有機化合物の吸着エネルギーを検討した。本研究により、実験的には 困難であった潤滑油分子の分子構造とそのダイナミックスさらには吸着特性な どの関係を明らかにすることができた。