立体化学の規範的コード化法の開発とコンホマーの識別 ○越野 広雪 こしの ひろゆき 理研 佐藤 寛子 さとう ひろこ 科技団さきがけ研究21 船津 公人 ふなつ きみと 豊橋技科大 鵜澤 洵 うざわ じゅん 理研 中田 忠 なかた ただし 理研 立体化学の情報は分子構造を取扱う上で重要な化学情報である.特に反応設計・ 予測やNMR化学シフト予測等においては,特定の予測部位の周りの立体化学を 含めた環境の類似と相違を識別することが必要である.これまでコンピュータ による分子の命名法などでは分子全体の立体化学を識別する方法は報告されて いるが,相対的な位置関係を一義的に表すことの難しさから,立体化学を反映 させたNMRの化学シフト予測等に適う,特定部位からの立体構造環境情報の規 範的コード化法はいまだ開発されていない.そこで,立体化学情報を規範的に コード化する新しい手法を開発した.今回はまず,コード化の方法と,本手法 によりコード化した種々の有機化合物をデータベース化し,コンホメーション の類似と相違を識別した結果について述べる.