有機合成設計システムAIPHOSにおける戦略部位の優先順位付け手法の開発 ○田中 章夫 たなか あきお 住友化学工業 船津 公人 ふなつ きみと 豊橋技科大 本発表では、LHASA以降の多くのシステムの課題であるルートの拡散化を解 消すべく、われわれがこれまで開発してきた知識指向型合成設計プログラム AIPHOS(Artificial Intelligence for Plannning and Handling Organic Synthesis)についてターゲットや中間体から認識した戦略部位の優先順位付 けについて検討した結果について述べる。 ルートの拡散化(1ステップで10通りの提案を行うと、5ステップでのルー ト総数が原理的には10の5乗となる状況)については、今日まで、解消する ための有効な手法があまり開発されていなかった。そこで、今回我々は標的化 合物や中間体から認識した戦略部位の優先順位付けについて検討した。客観的、 定量的に取り扱うために、既存の反応データベースからの評価式の誘導を検討 した。具体的には、反応データベースの生成系の構造全体と、優先順位付けの 対象となる戦略部位をパラメータ化し、統計解析したものを評価式とした。こ こから得られた各戦略部位の評価値で、有用なルートから提案する可能性を示 すことが出来た。(戦略部位:合成前駆体構造を導く際の標的構造中の着目部 位)