サファイア基板上におけるGaN薄膜初期成長の計算化学的検討 ○小野津 崇之 おのづ たかゆき 東北大院工 稲葉 祐策 いなば ゆうさく 東北大院工 高見 誠一 たかみ せいいち 東北大院工 久保 百司 くぼも もじ 東北大院工 宮本 明 みやもと あきら 東北大院工 家近 泰 いえちか やすし 住友化学 前田 尚良 まえだ たかよし 住友化学 III-V族窒化物半導体であるGaNは、高出力の青色LEDが実現されており、室温 での短波長レーザー発振の実現などから、次世代のDVD用光源としても期待さ れている。しかしながら、その製膜過程で結晶性に影響を与えている薄膜/基 板界面での微細構造についてはまだ十分な理解は得られていない。そこで本研 究では、分子動力学(MD)法と密度汎関数法を用いて、サファイア基板上のGaN の結晶成長過程に影響を与えている、ヘテロ界面の微細構造について計算化学 的な観点から検討した。MD計算の結果より、N原子はAl原子と強く相互作用し、 それほど大きく拡散しなかったが、Ga原子は基板表面を均一に拡散する傾向が 見られた。このことより、界面ではAl-N結合が支配的であると考えられる。さ らに、低温でGaN層を結晶成長させ、高温でアニーリングすることによって、 GaN表面の結晶方位がどのような影響を受けるかについても検討した。