酸化物エレクトロニクス材料のハイオーダーエピタキシー機構の解明 ○久保 百司 くぼ ももじ 東北大院工 稲葉 祐策 いなばゆうさく 東北大院工 小野津 崇之 おのづたかゆき 東北大院工 高見 誠一 たかみせいいち 東北大院工 宮本 明 みやもとあきら 東北大院工 川崎 雅司 かわさきまさし 東工大院総合理工 吉本 護 よしもとまもる 東工大応セラ研 鯉沼 秀臣 こいぬまひでおみ 科技団戦略研、東工大応セラ研 酸化物エレクトロニクス材料の合成過程をシミュレーションすることが可能な 分子動力学計算プログラムMOMODYを開発し、酸化物薄膜のエピタキシー成長過 程の検討を行った。MgO(001)表面上にMgO薄膜を形成した場合には(001)配向の 2次元エピタキシャル成長が確認されたのに対し、サファイア(0001)面上に同 じくMgO薄膜を形成した場合には3次元ナノドット構造の形成が予測された。 また、このナノドットがアモルファス状ではなく結晶構造を維持しており (111)配向でエピタキシャルに成長することも明らかとなった。さらにサファ イア(0001)面とMgO(111)面の格子定数比は約8.4%もあることからMgO/サファ イア(0001)界面でこの大きな格子定数比を緩和するハイオーダーエピタキシー 現象が起こっているものと考えられる。そこで、この形成機構について検討し たところ、MgO/サファイア(0001)界面のAl原子が4〜5配位のいフレキシブ ルな配位数をとることで、ハイオーダーエピタキシーが実現されていることが 明らかとなった。