分子力学法と分子動力学法による長鎖脂肪酸単分子膜の研究 ○橋口 聡 はしぐち あきら 大阪電通大 藤田 岩男 ふじた いわお 大阪電通大 これまで飽和脂肪酸単分子膜については、アルキル鎖の傾きなど分子配向につ いての計算が多く行われてきたが、不飽和脂肪酸についての計算はほとんど行 われていない。不飽和脂肪酸の分子配置や傾き等の関係を明らかにするために 我々は分子力学法(MM)と独立原子モデルを用いた分子動力学法(MD)の2種類の シミュレーションを用いた。力場は既存の力場のMM2力場を用い、比較検討の ために飽和脂肪酸についても計算した。計算の結果は,飽和脂肪酸は占有面積 を増加させたとき,分子の傾きが,ある占有面積のところで急激に増加した。 この占有面積は,実験におけるπ-A曲線の折れ曲がり位置とほぼ対応する。ま た、不飽和脂肪酸は、trans-体では飽和脂肪酸と同様の特徴が得られたが、 cis-体では、非常に秩序の低い結果となった。