量子分子動力学プログラム'colors'の開殻系への拡張 ○高見 誠一 たかみ せいいち 東北大院工 山田 有場 やまだ あるば 東北大院工 田村 宏之 たむら ひろゆき 東北大院工 久保 百司 くぼも もじ 東北大院工 宮本 明 みやもと あきら 東北大院工 今村 詮 いまむら あきら 広島国際学院大工 我々は従来の第一原理分子動力学法に比べより高速な、量子分子動力学プログ ラム'colors'を開発してきた。このプログラムは、拡張Huckel近似に基礎を置 き、分子動力学の1ステップごとに電子状態を解いて原子間にはたらく力を算 出するので、計算は高速でありかつ電子の授受を伴う反応も正確に記述できる という特徴を持つ。これまでのプログラムは閉殻系のみに適用できるものであっ たが、化学反応を記述する際には、反応性の高い化学種である、ラジカル種を 考慮することが必須であるため、本講演ではプログラムの開殻系への拡張を試 みた結果について報告する。開殻系を考慮するため、拡張Huckel近似における αとβ電子のクーロン積分の差を、開殻系でのFock演算子のαとβ電子の差に 相当するエネルギーに等しいとおいた。発表では本プログラムをさまざまな反 応系について適用し、その有効性を評価した結果について紹介する。